戦争法案の強行採決に強く抗議する事務所声明
2014年7月1日、集団的自衛権行使容認の閣議決定がなされた。
2015年5月15日、戦争法案が国会に上程された。
2015年7月15日、衆議院特別委員会の強行採決がなされた。
2015年7月16日、衆議院本会議で採決された。
2015年9月17日、参議院特別委員会の強行採決がなされた。
そして、2015年9月19日。参議院で採決され、法案は可決された。
政府は、法律を9月30日に公布し、6か月以内に施行することを決めた。
私たちは、2014年7月2日、「集団的自衛権を容認する閣議決定に抗議する事務所声明」を発表しました。日本国憲法に反する閣議決定を許すことはできなかったからです。私たちは、この日本の平和主義を破壊する愚かな策動を止めるため、全力を挙げて取り組んできました。多くの市民の皆さんとともに、法案の違憲性を訴え、手を結び、声をあげ、街を歩いてきました。私たちの声は、確実に安倍自公政権を追い詰めました。焦りに焦った結果が、あの参議院特別委員会の強行採決です。私たちは、あの採決を絶対に許さないし、決議の正統性を認めるものでありません。
私たちは、確信しています。私たちの心の中に、しっかりと民主主義の灯りがともったことを。国民主権の灯りがともったことを。そして、立憲主義の灯りがともったことを。無機質な漢字4文字ですが、それが私たちの身体の一部になったことを。
連日にわたり、街頭に立ち、路上を歩き、声をあげ、国会を包囲しました。いずれも、私たちの正当な基本的人権の行使です。私たちの基本的人権は、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」です。今回、私たちは、この自由や権利が、「国民の不断の努力によつて」保持されることを体験しました。その重要さを知った市民は、みずから考え、行動するよろこびを知りました。もはや、後戻りすることはありません。戦争立法は、安倍政権は、私たちを主権者として目覚めさせてくれました。
次の闘いは始まっています。フランスの1793年憲法35条には次のように書かれています。
「もし政府が国民の権利を侵害したならば、国民の、また国民の部分である個々人の
蜂起は、国民の最も神聖な権利であり、またその最も高度の義務である。」
私たちは、戦争法制の正統性を認めません。廃止する闘いを始めます。
私たちは、法律の具体化に反対し、抵抗します。
同時に、私たちは、国民の声を無視する政治、憲法を無視する政治を認めません。知性を尊重せず、理性に基づかない政治を認めません。そして、そのような政治を支える政治家も認めません。来夏の参議院選挙、来る衆議院総選挙、地方自治体選挙、あらゆる選挙で、この戦争法案に賛成した議員に、ふたたび政治を委ねることはしません。
憲法違反の法案が国会を通過しようとも、違憲の法律は、どこまでいっても違憲です。日本国憲法98条1項により、当然無効です。私たちの闘いは、次のステージに移っただけなのです。
この国の立憲主義を守り抜く闘いを、独裁政治を許さない闘いを、市民の皆さんと手を結び、主権者の一人として、法律専門家集団として、これからもなお一層の努力を続けることを表明します。
2015年9月25日
北海道合同法律事務所
弁護士 池 田 賢 太 弁護士 石 田 明 義 弁護士 内 田 信 也
弁護士 小野寺 信 勝 弁護士 香 川 志 野 弁護士 加 藤 丈 晴
弁護士 川 上 有 弁護士 笹 森 学 弁護士 佐 藤 哲 之
弁護士 佐 藤 博 文 弁護士 中 島 哲 弁護士 長 野 順 一
弁護士 橋 本 祐 樹 弁護士 廣 谷 陸 男 弁護士 三 浦 桂 子
弁護士 山 田 佳 以 弁護士 渡 辺 達 生 事務局一同
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