10月28日に北海道労働委員会が、学校法人札幌大学が教職員の給与を引き下げた際に不当労働行為があったと認定し、札幌大学教職員組合に誠実に対応するよう命じる一部救済命令を出したことが、翌29日付の朝日新聞、北海道新聞に報じられています。
札幌大学は、学生の定員割れなどで経営が厳しいとして2011年3月に教職員の給与(期末手当、通勤手当等)を引き下げることを労組に提案しましたが、団体交渉中の2012年9月、組合員にさらに不利益となる変更を十分な説明をせずに、同年11月に実施しました。
また、定年後に任用した教員の年俸の削減も十分な説明がなかったと認め、組合に必要な資料を提供するなどして誠実に対応するように大学に命令を出しました。
定年後任用の教員の年俸引き下げについては、教授らが札幌地方裁判所に、賃金切り下げは合理性を欠く就業規則変更であり無効であるとして、差額分の未払い賃金の支払いを求める訴訟を提起して係争中です。
なお、本不当労働行為救済事件の代理人は、当事務所の長野順一、佐藤博文、川上有、渡辺達生、池田賢太の5名です。
※ 不当労働行為とは
不当労働行為救済制度は、憲法で保障された団結権等の実効性を確保するために、労働組合法に定められている制度です。同法は、組合員であることを理由とする不利益扱いする行為や、団体交渉の拒否や誠実に団体交渉に応じない行為を不当労働行為として禁止しています。
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