logo_sq

アップロードファイル 150-1.pdf

旧社保庁職員の分限免職(民間の「解雇」に相当)処分取消請求にかかる人事院判定について(声明)


1.社会保険庁の解体・民営化に伴い2009年12月31日に強行された分限免職処分の取り消しを求めた公平審査請求(不服申し立て)について、人事院は、本日(2013年6月10日)、全厚生労働組合(以下「全厚生」)組合員39人のうち処分当時北海道内で勤務していた2人を含む計7人に対して判定書を手交した。判定では、釧路社会保険事務所の越後敏昭氏について、厚労省の解雇回避努力の不十分さを認めて処分を取り消したが、稚内社会保険事務所の高嶋厚志氏については処分を承認するとした。
越後氏に対する処分を取り消したことは、行政機関である人事院が今回の処分の違法性、不当性を自ら認めたものとして評価する。しかし、実質的には越後氏の事案と異ならない高嶋氏に対して処分を承認したことは極めて不当であり、断固抗議する。


2.旧社会保険庁職員の525人にも及ぶ大量の分限免職処分は、社会保険庁を廃止し、年金業務を日本年金機構に移行させるにあたって、「組織廃止」を理由に行われた。日本年金機構は発足時に300人を超える大量の欠員を生じていたにもかかわらず、年金業務の混乱も考慮せずに政府は経験ある職員を分限免職としたのである。


3.2年4か月にわたる人事院審理は、社会保険庁はもとより政府も厚生労働省も、分限免職回避のための責任ある対応をとっていなかったことを明らかにした。
これらの審理を踏まえて、本年4月5日には全厚生組合員に対する初めての判定が出されたが、その内容は、政府や厚生労働省の責任を不問にするものであり、重大な問題を含んでいた。例えば、内閣や内閣総理大臣の責任について判断していないこと、厚生労働省や他省庁での採用抑制が極めて不十分だったこと、面接方法が公平性を欠き恣意的に行われたこと、地域間で配置転換の可否に大きな差異があったことなどである。
これらの論点について、今回の判定においても判断されることがなかった。


4.今回の分限免職処分の取り消し判定により、社会保険庁の民営化にともなう処分の違法性、不当性が改めて浮き彫りになった。
北海道では、2人の分限免職処分の取消及び慰謝料を求める訴訟が追行されている。。我々は、訴訟の場において引き続き、本件分限免職処分の違法性を明らかにしつつ、高嶋氏についても処分撤回を勝ち取るよう全力を挙げる決意である。

2013年6月10日
社会保険庁不当解雇撤回北海道訴訟 原告・弁護団

この記事を家族・友達に教える

TOP