皆様 新年明けましておめでとうございます。
「暴君 シェイクスピアの政治学」 (岩波新書)が話題になっています。
暴君はあからさまな嘘をつくが、いくら反論されても押し通し、最後は人々もそれを受け入れてしまう。暴君は法を憎み、法を破ることに喜びを感じる。
暴君が登場するのは権力の中心が空洞化する時代で、党派争いが激化し、敵味方がはっきりして「相手を倒す」ことが自己目的化する。しかしそのような暴君は権力の座につくと、途端に無能を示す。統治する国の展望はなく、自分が人々に嫌われていることを知っているだけに、周囲に猜疑の目を向ける。そして自滅していく。
『マクベス』や『リア王』、『ジュリアス・シーザー』などの作品に登場する暴君たちの話ですが、実に生々しく感じられ、現代世界を反映したものとしか思えないリアリティがあります。
昨年9月、菅総理が就任記者会見で語ったのかは「自助」でした。権力闘争に明け暮れてきた彼は、国の展望、国民生活の未来を語れない人でした。
暴君が勝利するように思える時代もあるけど、最後は抑圧されても消えない人間的精神によって暴君は倒される。これが「シェイクスピアの政治学」の帰結でした。
コロナ禍にも負けず、政治の貧困にも負けず、ともに頑張りましょう。
皆様のご健勝とご活躍を心から祈念します。
2021年1月 北海道合同法律事務所 弁護士・事務局員 一同
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