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2018年11月9日、札幌地方裁判所は、元朝日新聞記者植村隆さんがジャーナリストの櫻井よしこらに対して,名誉毀損を理由として慰謝料の支払いなど名誉回復を求めた訴訟で,植村さんの請求を棄却する不当判決を言い渡しました。

弁護団の声明と、この判決と裁判の経過について詳しく解説したニュース番組をご紹介いたします。
ニュース番組には、ジャーナリストの安田浩一さん、レイシストに対するカウンター活動などをしているC.R.A.C.の野間易通さん、原告の植村さん、代理人弁護士の小野寺信勝が出演しています。

NO HATE TV https://www.youtube.com/watch?v=-tCYdVpsWxU


 声  明

 本日,札幌地方裁判所民事第5部(岡山忠広裁判長)は,元朝日新聞記者植村隆氏がジャーナリストの櫻井よしこ氏及び週刊新潮,週刊ダイヤモンド,WiLL発行の出版3社に対して,名誉毀損を理由として慰謝料の支払いなど名誉回復を求めた訴訟で,原告の請求を棄却する不当判決を言い渡した。

 札幌地裁の判決は,「捏造」を事実の摘示であることを認め,櫻井氏はその表現により植村氏の名誉を毀損したことを認めた。しかしながら,櫻井氏は金学順氏が日本政府を訴えた訴状等の記載から,継父によって人身売買された女性であることを信じ,原告の妻が太平洋戦争犠牲者遺族会の幹部の娘であることから植村氏の本件記事の公正さに疑問を持って,原告が事実と異なる記事を敢えて執筆したこと,つまり「捏造」したと信じたことには理由があると判断した。
  しかし,仮に櫻井氏が金学順氏が継父によって人身売買された女性であることなどを信じたとしても,そこから植村氏が敢えて事実と異なる事実を執筆したと信じたとの判断には論理の飛躍がある。
  また,櫻井氏への本人尋問では,櫻井氏は取材の過程で植村氏に取材を行わず,訴状や論文の誤読など,取材の杜撰さが明らかになった。
  本日の判決は櫻井氏がジャーナリストであることを無視して,櫻井氏の取材方法とそれによる誤解を免責するものである。
これを敷衍すれば,言論に責任を負うべきジャーナリストと一般読者とが同じ判断基準で判断することは,取材が杜撰であっても名誉毀損が免責されることになり,到底許されるものではない。

 私たち弁護団は,本日の不当判決を受け入れることはできない。原告及び弁護団はこの不当判決に控訴をし,植村氏の名誉回復のために全力で闘う決意である。                    

2018年11月9日/植村訴訟札幌弁護団

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