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弁護士の橋本祐樹です。奨学金問題、第4部です。

奨学金の返還が困難なときは、返還期限の猶予、返還免除、延滞金の減免、減額返還制度等があります。

返還期限の猶予は、病気等や経済的困難性を要件とし、通算で5年しか認められません。また、延滞状態の解消をしないと利用できない等の制限もあります。

返還免除については、死亡、労働能力の喪失等の返還を困難とする事情が必要となります。

延滞金の減免は、「真にやむを得ない事由」が必要です。責任がないのに延滞金が発生した場合や、死亡や障害がある状態で、機構が認定したときに認められます。

減額返還制度はも経済的困難性を要件としていますし、延滞状態の解消をしないと利用できない等の制限もあります。

以上のような諸制度がありますが、いずれも要件が厳格なうえ複雑で、利用するにはハードルが高いです。そのうえ、そもそも、このような制度があることについて周知が不徹底であり、要件を満たす人でも知らないまま返し続けるということもあります。
これらの制限は緩和されなければならないと思います。

以上の制度を利用できない場合でも、債務整理をすることが可能な場合があります。

これまで見てきたように、現在の学費と奨学金が原因で、若者の人生設計を困難にし、志がある若者が経済的理由で夢を追いかけるのを断念するというような状況を生み出しています。
今後あるべき方向性は、学費の無償化と給付型奨学金の導入であることは間違いありません。「先進国」と呼ばれる国々が加盟するOECD加盟30か国のうち、約半数は大学授業料が無償化されていますし、約9割の国で給付型奨学金が導入されているのですから。大学授業料が無償でなく、かつ、貸与型の奨学金を導入しているのは、30か国で、日本だけなのです。

貸与型奨学金を前提として、返済困難な方の救済、貸与型を前提とした制度改善を目指しつつも、最終的には、学費の無償化と給付型奨学金の導入が何より必要だと思っています。
このような目標の下、奨学金問題に取り組んでいきたいと思っています。

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