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弁護士の橋本祐樹です。

「奨学金」と聞いて、「大学に通う際に奨学金を利用した」、「育英会って聞いたことあるなぁ」、などみなさん様々思うことがおありだと思います。
しかし、この「奨学金」が高い学費と回収強化策と相まって、若者とその家族の生活を苦しめていることをご存じでしょうか?

私は、司法修習生の給費制の復活を求める活動をしていく中でも、似たような構造にある奨学金問題に関心をもつようになりました。
奨学金問題と司法修習生の貸与制とは、受益者負担という誤った理由で国が責任を放棄したため、教育の機会均等を損ね、結果的に能力ある若者や権利の守り手などの社会的資源を活用するという社会・国民の利益を損ねる点で共通しています。

「奨学金」と言われていますが、本来の奨学金は給付制(=返済の必要がない)を意味します。今の日本の「奨学金」は、貸与制(=返済の必要がある)である点、さらにその約75%が有利子である点で、およそ「奨学金」とは言えず、単なるローンなのです。
「奨学金」については、このような制度の根本的問題、「奨学金」に頼らざるを得ない学生を取り巻く問題、卒業後の返済をめぐる問題など、たくさんの問題があります。
弁護士は、卒業後の返済についての問題に着目し、札幌でも奨学金ホットラインが2度実施され、返済に困っている元学生本人や連帯保証人の年老いた親などからの相談を受けました。
2月に日弁連が実施した奨学金返済問題ホットラインには、全国で453件の相談がありました。
借りたくなくても借りざるを得ない奨学金、返したくても返せない奨学金…「奨学金」は、もはや個人の負担として放置できない社会問題になっているのです。

このような背景から、奨学金問題の研究者、奨学金問題に取り組んできた労組関係者、教育関係者、弁護士、司法書士などが中心となって、奨学金問題対策全国会議を設立することになったのです。

3月31日に東京で開催された奨学金問題対策全国会議の設立集会「真に学びと成長を支える奨学金を目指して」には、約200名の参加があり立ち見が出るほどで、またマスコミも10社が取材にくるなど、関心の高さが表れていました。

ここまで読んで、「おれのころの奨学金とは事情が違うようだなぁ」と思われている方も多いと思います。
具体的な違いについては、to be continued…
(本日から4日間、奨学金問題について連載します。)

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