弁護士の安部真弥です。
私は愛知県出身で、高校卒業するまでの間は、愛知の実家で生活していました。
実家の裏通りには小さな平屋の工場があり、そこの工場で働く人やその家族が、工場の向かいに家を建てて暮らしていました。
とても不思議な作りの家で、外から見ると、トタン屋根の大きな一つの家のようなのですが、中に入ると小さな家々に別れており、狭い路地のようなコンクリートの通路で家々がつながっていました。家々の玄関は別々です。
実家同士が近所ということで、私はそこに住む年齢の近い子ども達とよく遊びました。特に同じ歳のHちゃんとは仲が良く、いつも一緒に遊んだ記憶があります。
小学校高学年になった頃だったか、Hちゃんから、今まで隠していたけど言わなければならないことがあると言われました。聞くと、Hちゃんや、工場の人達はみんな、日本人ではなく、Z国の国籍だということでした。
当時子どもだった私は、外国人だなんてかっこいい!くらいにしか考えていませんでしたし、HちゃんはHちゃんなので、日本人ではないと聞いても全く気にもしませんでした。
その後、高校が別々になったことや、Hちゃんが引っ越したこと、私も北海道にきてしまったことなどで、Hちゃんとは疎遠になりましたが、数年前、私の母がHちゃんのお母さんと偶然出くわしたそうです。
Hちゃんのお母さんいわく、Hちゃんは、Z国籍ということで、就職も結婚もとても苦労しているということでした。
確かに、HちゃんはZ国籍ですが、日本で生まれ、日本で育ち、日本語しか話せません。Z国には行ったこともないと以前言っていました。
日本の教育しか受けていないのですから、考え方なども、まるきり日本人です。なのに、日本国籍ではないというだけで、就職などで差別され、苦労しているのです。
確かに、外国人の人権は難しい問題です。
しかし、国籍だけで人を判断することが正しいことだとは、到底思えません。
国籍という垣根をたやすく越えて仲良くなれる子ども達を見習い、私達大人も、本当の意味での人を見る目を養っていきたいものです。
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