弁護士の川上有です。
1 弁護士会の「委員会」ってなあに?
弁護士会には、委員会というものがあります。
札幌弁護士会では40以上の委員会があります。何をしているかというと、弁護士会の内部の総務的なことを行う委員会もありますが、多くは社会に無数に存在する人権問題に取り組むものです。例えば、犯罪被害に遭われた方々の被害回復など様々な支援を行う(犯罪被害者支援委員会)、主として女性差別の差別問題などの人権問題に取り組む(両性の平等委員会)、民事事件に暴力団が介入することによって生じる人権問題にあたり、暴力団と直接交渉などを行う(民事介入暴力対策委員会)、子どもの人権救済などに取り組む(子どもの権利委員会)、高齢者障害者問題に取り組む(高齢者障害者支援委員会)等々。
これらの委員会活動は、ほとんどが無償で弁護士は手弁当で活動しています。
札幌弁護士会の会員の多くは、委員会活動に相当積極的に関わっており、全国の弁護士会(50の弁護士会があります)の中でもその活動は高い評価を受けています。
そして、一人の弁護士は1委員会という訳にはいかず、通常2〜3の委員会に所属しているほか、人によってはプロジェクトチーム、ワーキンググループなどにも所属していたり、北海道弁護士会連合会や日本弁護士連合会の委員会活動にも従事しているという状況にあります。
2 なぜ、一生懸命にやるの?
費用をもらわないのに、なぜそれほど一生懸命に委員会活動をするのでしょうか。
大上段に構えていうならば、「人権擁護と社会正義の実現」という責務が弁護士にあるから(弁護士法1条)ということになります。しかし、実態としてはこのような法律上の責務があるから(しかたなく)やっているというよりも、弁護士になる人たちの多くが、このような社会に蔓延する人権問題や社会問題について高い意識を持っており、弁護士になった以上、「当然に」このような活動に参加しているということなのだと思います。少々格好をつけていうと、弁護士こそが日本の人権問題を担っているという自負が、膨大な無償行為を可能にしていると思うのです。
3 北海道合同法律事務所の弁護士の姿勢は?
もちろん、全ての弁護士が同じように一生懸命委員会活動をするかというとそうではなく、どうしても各人の委員会活動に対する姿勢・意識・意欲によって大きく差が出てしまいます。この点、北海道合同法律事務所の弁護士は、みな本当に積極的に委員会活動をしています。
ちなみに、委員会には委員長が置かれますが、北海道合同法律事務所の弁護士では、
長野順一 財務労務委員会・機構問題検討委員会
佐藤博文 法教育委員会
内田信也 高齢者障害者支援委員会
笹森学 心神喪失者等医療観察法に関する委員会
渡辺達生 会報委員会
川上有 地域司法対策委員会
と、6名もの弁護士が委員長を務めており、おそらく札幌弁護士会では最多数だと思いますし、三浦桂子(両性の平等委員会)、中島哲(法律相談センター運営委員会)も副委員長を務めています。
4 結構すごいことでは?
いずれにしても、弁護士というそれなりの能力を持った人間が、これほど多くの委員会活動を無償で行っているということは、手前みそではありますが、誇って良いことだと思っています。他の法律分野の業種だけでなく、これほどの無償行為を行っている業界団体は、他に例がないのではないかと思います。先にも述べたとおり、人権問題に対する自負がなければ、これほどの活動を継続的に行うことはできないと思うのです。
5 私は?
私はというと、地域司法対策委員会の他、刑事弁護センター運営委員会、裁判員裁判実施本部、法テラス運営等対策委員会などのほか、弁護士過疎・偏在対策ワーキンググループ(座長)、法律相談センターあり方検討プロジェクトチーム(事務局長)、北海道弁護士会連合会のすずらん基金運用検討委員会(副委員長)、すずらん基金法律事務所運営委員会、日本弁護士会連合会の刑事弁護センター委員会、えん罪原因究明第三者機関ワーキンググループなど全部で10数個の委員会等に入っています。必然的にかなり多くの時間を委員会活動に割くことになり、これまで20年近くの弁護士生活の中で、毎年200時間〜300時間を委員会活動に当ててきていると思います。
さて、そういう私が現在最も力を入れているのが地域司法対策委員会です。
そこでの活動については、皆さんにもぜひ知って頂きたいと思うのですが、少々長くなりそうなので、またの機会にお伝えすることにしましょう。
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