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滝川生活保護不正支給住民訴訟

渡辺です。
私も代理人の一人として取り組んでいる「滝川生活保護不正支給住民訴訟」の現状についてご報告します。

1 事件の概要
この1月ほど、芸能人の親族が生活保護を受給していたこと等で生活保護のことが話題になっていますが、平成18年3月から平成19年11月までの約1年半の間に、ある生活保護受給者(K夫婦)が、滝川から札幌の病院に通院するための移送費(タクシー代)として、2億3000万円を滝川市に支出させ、そこから1億円近い金額をタクシー会社から還流を受けていたという事件を覚えているでしょうか?

2 滝川市の杜撰な対応
この事件については、K夫婦が詐欺の加害者で、滝川市が詐欺の被害者ということになりますが、市民の面からみれば、滝川市が余りにも安易に多額の移送費を支出したために、被害額が極めて多額になっており、滝川市にも加害者的な面が多分にあります。
滝川市の住民がその点を問題にし、平成20年に住民訴訟を提訴しました。裁判所の構成が変わったこと等があり、予想していた以上に時間がかかったのですが、この春から、証人尋問を行い、これまでの2回の期日で、担当のケースワーカ、査察指導員、福祉課長、福祉事務所長の尋問を行いました。この事件には、多数の論点があるのですが、この間の尋問で、次のような極めて杜撰な滝川市の対応が明らかになりました。
滝川市から札幌市までのタクシー料金を業者の言われるままに、1回25万円〜45万円という料金を認める(基本料金が25万円、通院先の病院が1件増えるごとに5万円の上乗せで、最高5つの病院に通院しています)のですが、その会社のホームページには貸し切り制の料金があり、それであれば、8時間で約11万円、12時間でも約17万円と書いているにも関わらず、貸し切り制の料金を検討すらしていません。
また、当初からこの移送費は、会社名義の口座ではなく、代表者の個人名義の口座に送金されていましたが、平成19年5月には、税理士でもある監査委員から、送金されている口座が個人名義の口座であるということは会社の売上計上されておらず、そこからK夫婦に資金が還流している可能性があるとの指摘がなされた後も、「そのようなことがあるとは思わなかった。」と滝川市の全員が思いこみ、その後も個人名義の口座に送金を続けています。

3 次回期日〜市長の尋問〜
次回期日には、9月12日(水)午後1時30分から、札幌地裁701号法廷で行います。ここで、よいよ、当時の市長の尋問になります(この時の市長さんは、この事件の後の選挙で落選してしまいました)。私もこれまで何件も住民訴訟をしてきましたが、市長の尋問をやるのは初めてです。このような杜撰な対応に対し、市長がどのように対応していたのかを、是非、明らかにしたいと思います。
興味のある方は、是非、傍聴にいらしてください。

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