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弁護士の池田賢太です。

 2018年1月31日の深夜から2月1日にかけて、札幌市東区の生活困窮者支援施設が火災に遭い、そこで居住されていた方々のうち、11名がお亡くなりになるという、本当に痛ましい事件がありました。
 まず、お亡くなりになられた方々には、心からお悔やみを申し上げるとともに、お怪我をされた方々にもお見舞いを申し上げます。

 私自身も、生活困窮者支援に携わらせて頂いておりますので、今回の火災は他人事とは思えません。
 生活困窮者は、経済的な困難を抱えています。でも、それだけではなく、複数の困難を抱えている人も多いのです。高齢であったり、仕事が無かったり、身体に障害があったり、精神疾患をもっていたり、家庭で問題を抱えていたり。
その結果、社会との接点がどんどんと失われて、社会的に孤立していきます。そうなると、経済的困難をフォローするだけでは生活を立て直すことはできません。生活保護を受けさえすれば問題が解決するわけではないのです。

 生活困窮者は、経済的困窮と社会的孤立が重なりあった状態にあります。今回の事故は、社会的孤立からの回復を目指すための「居場所」で起きた事故だと言えるでしょう。
 社会的孤立は、社会的排除から始まります。生活困窮者を私たちの社会の正当なるメンバーとして認識しない社会構造があるのです。このことから目を背けてはいけないと思います。

社会保障、社会福祉の充実を求めること。排除されることなく、個人として尊重されること。私たちの社会の問題として、公的に施策を推進すべき課題です。いまこそ、生活困窮者に対する包括的な支援を進めなければと思います。
 今回の事件を受けて、いのちを大切にする社会、いのちを大切にする政治の実現を改めて考えさせられました。

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