目次
弁護士の大和田貴史です。
今日は相続のイロハについて解説いたします。
1 そもそも相続って?相続人は誰がなるの?
(1) 相続手続の開始
相続を分かりやすくざっくり言い換えると、亡くなった人の残した財産をどのように処理して分配するかということです。
なお、法律上は亡くなった人を「被相続人」、被相続人の財産のことを「相続財産」といいます。
注意点としては、相続財産にはプラスの財産(一般的に言う遺産)のみならず、マイナスの財産(借金・負債)も含まれるので、遺産が全くないけれども借金はたくさんある!という困った被相続人であっても相続の問題が発生します。
本コラムでは詳細までは書きませんが、プラスの財産よりもマイナスの財産が多いといった場合には、家庭裁判所に対して「相続放棄」または「限定承認」という手続きをとることで被相続人の残した借金から免れることができます。
(2) 私って相続人になるの?〜相続人の範囲と相続分〜
親族が亡くなった時、自分が相続人になるか気になりますよね?
被相続人が遺言(法律上は「いごん」と読みます。)を残している場合と残していない場合で変わりますが、遺言がない場合について説明したいと思います。
民法には、相続人となる人の範囲と相続の割合について定められており、民法上の定めは以下の図のとおりです。
例1 夫が亡くなった場合で、妻と子供2人(AとB)がいるケース(相続財産1000万円)
妻(配偶者)1/2 500万円
子A 1/2×1/2=1/4 250万円
子B 同上 250万円
例2 夫が亡くなった場合で子どもはおらず、夫の両親も夫より先に亡くなっているが、夫に弟Cがいるケース(相続財産1000万円)
妻 3/4 750万円
弟C 1/4 250万円
なお、死別や離婚等で配偶者がいない場合には相続の順位に従ってそれぞれが全部を相続します。
例3 夫が亡くなった場合で、妻は夫死亡以前に離婚しており、子A及び子B
がいるケース(相続財産1000万円)
元妻 0円
子A 1/2 500万円
子B 1/2 500万円
(3) 相続人が先に亡くなっている場合は?
相続人となるべきだった人が被相続人より先に亡くなっている場合には相続人となるべきだった人に子がいれば、その子が相続人となります。これを代襲(だいしゅう)相続といいます。代襲相続人が複数いる場合には本来相続すべき相続分を代襲相続人の人数で割ります。
例4 例1のケースで子Aが夫より先に亡くなっているが、子Aには子DとE(夫からみると孫)がいるケース(相続財産1000万円)
妻1/2 500万円
子B 1/4 250万円
孫D 1/4(子Aの相続分)×1/2=1/8 125万円
孫E 同上 125万円
また、仮に孫Dも先に亡くなっており、ひ孫のFがいるといった場合にはそのFが相続人がとなります。
2 相続人になったら何をすればいいの?
(1) 遺産をどうやって分けよう?〜遺産分割協議〜
あなたが相続人になった場合、「遺産分割」を行う必要があります。
通常、遺産分割は以下のように行われます。
1 被相続人が遺産分割方法を遺言で定めている場合は、遺言に従う
2 遺言がなければ、相続人同士の協議で決める(遺産分割協議)
3 協議が整わない場合、家庭裁判所における調停の場で話し合う
4 調停でも折り合わない場合、審判手続に移行し、家庭裁判所が遺産の分割方法を決定する
(2) いつ弁護士に相談したらいいの?
1〜4のどの段階であっても弁護士は代理人になることができます。しかし、相談を受けるのが早い段階であれば複数の解決策を柔軟に模索することができます。また、昨今「終活」という言葉が聞かれるようになりましたが、将来の相続に備えて、自分の財産をどうやって相続させるか生前から相談に来られる場合も増えてきました。生前から適切な形式の遺言を残すことでご自身の意思をしっかりと相続に反映させ、将来の親族間の争いを防ぐことにもつながります。
遺言が有効とされるためには法律上の要件がありますが、その点についてはいつか別のコラムに書きたいと思います。
いずれにせよ、相続に関するお悩みがあればお気軽にご相談ください。当事務所は初回40分無料相談を実施しています。
この記事を家族・友達に教える
Author Profile
日常生活での悩みごと、困りごとはありませんか。
ささいな問題で相談に行ってもいいのかな?と躊躇わず、
どんなことでもお気軽にご相談ください。
- お電話からのご予約
- 011-231-1888
- メールフォームからのご予約
- 相談予約フォーム