弁護士の小野寺信勝です。
アパマンショップ平岸駅前店で起きた爆発事故から1年が経った本年12月16日、同店に隣接するマンションの住民11世帯30人を原告として、アパマンショップリーシング北海道に対して提訴しました(代理人は川上有、小野寺)。
爆発事故は、店長や従業員が締め切った店内で120本もの未使用の防菌スプレー缶を廃棄のため噴射した後に、ガス給湯器を作動させたところ、可燃性ガスに引火したことにより引き起こされました。その爆発は凄まじく、店舗は倒壊し、周辺のマンション等の窓ガラスが割れ、火災を引き起こしました。この爆発事故により奇跡的に死者は出ませんでしたが、52人が重軽傷を負うほか、マンションや店舗41棟が破損、車両32台のガラスが割れるなど大きな被害を与えました。
原告となった住民も爆発によって恐怖を感じ、中には今も不眠症等に苦しんだり、ふとした瞬間に爆発の恐怖が蘇るなど、苦しみが続いています。爆発事故は爆発の衝撃が注目されがちですが、その後の生活は過酷を極めていました。住民のほとんどは本件爆発事故後もマンションで生活を続けましたが、割れた窓に板等を貼っただけの状態で一冬を過ごさなければなりませんでした(窓が設置されたのは、4月〜10月)。さらに、工事等の騒音、煙が入り込んだことによる悪臭にも苦しめられました。
しかし、住民への補償は進みませんでした。そんな中、今年6月にアパマンから突然賠償額が提示されました。住民には爆発事故による工事が終わらない段階で幕引きを図ろうとした「誠意のない対応」に傷付けられることになりました。このアパマンの対応が提訴の最大の理由です。
アパマンが訴訟でどのような対応をするかは予断できませんが、今度こそ誠意をもった対応を期待します。
なお、ある情報番組で「マンションの住民のように訴訟に踏み切るには100万円以上の費用がかかる」と報道されています。どのような取材をしたのかはわかりませんが、私たちは本件の公益性や弁護士費用によって泣き寝入りする被害者が出てくることは望ましくないという考えから、実費程度しか受け取っていません。爆発事故により被害を受けた方は、弁護士費用は心配せずに相談に来てください。
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