弁護士の桝井妙子です。
■ ウクライナの芸術
私は美術鑑賞が趣味なのですが、先日、NHKの日曜美術館という番組で「美は語る 激動のウクライナ」を見ました。
紀元前の騎馬民族スキタイに遡り、ギリシャ文明との出会いや、ロシア正教会の芸術への影響など、ウクライナ地域の複相的な歴史を辿る内容でした。
ウクライナ侵攻のニュースを見るたびに、戦争はまさに人々を「恐怖と欠乏」(日本国憲法前文)に陥れるものだと、まざまざと見せつけられます。ウクライナの国民的な民族画家、マリア・プリマチェンコの絵画の一部もロシアの爆撃により焼失してしまいました。
■ ユネスコ憲章前文
番組の最後、ユネスコ憲章前文の一文が紹介されました。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない。」
憲章はこう続きます。
「相互の風習と生活を知らないことは、人類の、歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不 信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に、諸人民の不一致があまりにもし ばしば戦争となった。」
「政府の政治的及び経済的取り決めのみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって、平和が失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かれなければならない。」
芸術や文化を深く理解し、愛する者は、決してその破壊を志向しないはずです。絵、音楽、文学や映画で心動かされ、癒された経験は多くの人にあるのではないでしょうか。戦争は、そういった私たちの愛する日常を一瞬で破壊してしまいます。
第二次世界大戦を経て設置されたユネスコが、なぜ、人々の心の中に平和の砦を築くことを求めているのか。その意味を深く考えさせられる番組でした。
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