弁護士の池田賢太です。
2018年12月14日、安倍政権は、沖縄県辺野古の新基地建設のために土砂を投入しました。
繰り返し、示し続けられている「辺野古NO!」の民意に反して土砂を投入したのです。
国民主権、地方自治を謳う日本国憲法を正面から否定する暴挙です。
私たちは、この暴挙を許すことはできないし、投入された土砂の重みを私たちの痛みとして感じています。
本日、自由法曹団北海道支部と青年法律家協会北海道支部は、連名で、この暴挙に対する抗議の声明をあげました。
沖縄の痛みを我がものとして、平和を愛する沖縄県民、多くの市民としっかりと手を結び闘い続ける覚悟です。
沖縄県辺野古の海への土砂投入に対する抗議声明
2018年12月14日、安倍政権は沖縄県辺野古の海に土砂を投入した。自由法曹団北海道支部と青年法律家協会北海道支部はこの暴挙に対し、満腔の怒りをもって抗議する。
安倍政権は、事あるごとに「沖縄の皆さんに寄り添う」ことを口にしつつ、その実極めて強権的かつ恣意的に法を執行してきた。「マヨネーズ状」とも言われる軟弱な地盤が広がっているという地質調査の結果が存在することをひた隠していたことなどから、本年7月27日には翁長雄志前沖縄県知事が病を押して辺野古の埋め立て承認の撤回を表明、謝花喜一郎副知事が8月31日承認の撤回に踏み切った。これに対し、安倍政権は、あろうことか行政不服審査法を持ち出して、承認撤回の効力を停止させた。
安倍政権は、事あるごとに「法の支配」を口にしつつ、その実全く「法の支配」の本質を理解せず、傲慢な政権運営に終始してきた。いうまでもなく、法の支配とは、専断的な国家権力による支配を排し、権力を法によって拘束し、もって市民の権利及び自由を擁護するというものである。この基本原理の根底には、市民の権利及び自由、すなわち法によっても侵すことのできない天賦人権があることを忘れてはならない。行政不服審査法も、市民の権利を擁護するための法律であって、沖縄防衛局長が私人であるかのように装ってその制度を利用しようとするなど、法の趣旨はもちろん、「法の支配」からもかけ離れている所業と言わざるを得ない。
安倍政権は、市民生活を徹底的に破壊し、軍事国家化を進めてきた。安倍政権は、戦争法によって立憲主義を破壊し、国会では強行採決を繰り返し、公文書の偽造・ねつ造によって民主主義を根底から覆してきた。まさに戦後最悪最低の政権と言わざるを得ない。
沖縄の問題は、単に安全保障上の問題だけではない。今回の土砂投入の強行は、辺野古基地建設の既成事実化をして、沖縄に米軍基地負担を永続化させようとするものである。それは、単に沖縄県民の分断だけではない。沖縄県民とそれに連帯する市民を無力化し、市民の分断を図るものである。
沖縄の民意は2014年及び2018年の県知事選挙で既に示されている。しかし、安倍政権は「沖縄県が置かれている立場は十分理解している」と言いながら、2018年の県知事選挙から3か月も経たないうちに取り返しの付かない土砂投入に踏み切るなど、民主主義を無視したも同然である。また安倍政権は「日本国民のためだ」と根拠もなく「日本国民」が総意で求めているかのように偽装し、国民に責任転嫁するかのような理由で土砂投入を正当化しようとしているが、「国民のため」なら地方の意思に反して政策を強行するのであれば地方自治など絵に描いた餅である。
安倍政権は、これらの既成事実の積み上げることによって、日本国憲法の三大原理を尊び、その実現を目指す市民の連帯を無力化し分断を図るとともに、政府に対する反対の言動を封殺し続けている。これはもはや独裁国家というほかない。
我々は、日本国憲法の三大原理に立ち返り、沖縄県民と平和を愛する市民と心を一つに、辺野古の痛みを我が物として、広く市民と団結してたたかうことを改めて表明し、悪政の限りを尽くす安倍政権の早期退陣に向け全力を尽くすことを誓う。
2018年12月19日
自由法曹団北海道支部長 弁護士 佐 藤 哲 之
青年法律家協会北海道支部長 弁護士 田 中 貴
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