北海道、札幌を中心とした北海道合同法律事務所が発行する「事務所通信:北の峰」の2012年 夏号をご紹介致します。

 北の峰のご案内

巻頭言
暑中お見舞い申し上げます


 暑中お見舞い申し上げます。
 国会では、民・自・公の三党合意で、社会保障を拡充するどころか、ますますの改悪と一体の消費税増税法案が衆議院を通過しました。福島の検証もせず、安全性について何の保証もないのに野田内閣は大飯原発三、四号機を再稼働しました。いずれも多数の国民の意向に逆らっての強行です。
 野田内閣は、民主党が二〇〇九年総選挙で掲げて政権交代を実現した「国民の生活が第一」というスローガンを投捨て、自民党以上の第二自民党として、国民の犠牲の上に大資本とアメリカ言いなりの政治を推し進めようとしています。
 この流れの中で小沢一郎氏が民主党を離党し、「国民の生活が第一」という新党を立ち上げましたが、この新党を見る国民の目は厳しく、冷やかです。確かに「国民の生活が第一」というスローガンは今の政治の基本的対抗軸を示しています。小泉政治にその生活を破壊された多数の国民が共感を示し、政権交代を実現しました。しかし、小沢氏には対抗軸の一方を担う資格も能力もありません。私たちは小沢氏が政権交代直後に自民党に大連立を持ちかけたことを忘れていません。小沢氏にとって、それは選挙に勝つための手段にすぎなかったのです。しかし、皮肉にも政権交代を成し遂げた国民の声がそれを許しませんでした。
 遠からず、わが国の進路を争う総選挙が行われるでしょう。真の対抗軸を見失うことなく、正しい選択をしたいもです。政策的には民・自・公以上に急進的新自由主義を唱えながら、「第三極」を装う橋下維新の会など、その危険性を見極めることも重要です。
 暑い夏を、人権と平和、そして、民主主義のために、共に熱くたたかいましょう。

二〇一二年 盛夏 北海道合同法律事務所一同

札幌・青春を返せ訴訟 統一協会の伝道・教化活動を断罪 弁護士 内田 信也

「社会的相当性の範囲を著しく逸脱する!」

 本年三月二九日、札幌地方裁判所で「札幌・青春を返せ訴訟」の判決言渡しがあり、橋詰裁判長は、統一協会の布教活動の違法性を認め、統一協会に対し、原告六三人に総額二億七八八三万一三三九円の損害賠償を支払うように命じた。

 この判決は、元信者による統一協会を相手とした「青春を返せ訴訟」の生みの親である郷路征記弁護士が、平成一六年六月の提訴以来、実に八年の歳月をかけ、一人で主張・立証の限りを尽くした「金字塔」である。判決の持つ意義を、一緒に代理人として名を連ねた私が報告をする。

 損害賠償を請求する根拠は、「統一協会の布教・教化課程は被勧誘者の思想信条の自由を犯す不法行為であり、その結果、人格を変えられたことによって、献金をし物品を購入し献身させられ、財産的だけでなく、精神的・肉体的な苦しみを受けた」というものである。すなわち、統一協会の布教・教化課程全体が不法行為であるという考えであり、これが郷路弁護士が編み出した「青春を返せ訴訟方式」である。

森林

 本判決で一番注目しなければならないのは、「違法論」であり、「宗教団体の布教・教化活動が違法となる基準」を明らかにした点である。
 その基準を@教えの宗教性を隠すことA入信後に特異な宗教的実践を求めるのに、伝道時にそれを知らせないことB信仰の維持を強制するために家族や友人・知人との接触を断ち切ることC金銭拠出の不足を信仰の怠りとし、そのことが救済の否定につながるとの教化活動が行き過ぎと見られる場合、として、統一協会の伝道・教化活動を次のように断罪した。

  「統一協会の信者が原告らに対して行った伝道活動は、宗教性や入信後の実践内容を秘匿して行われたもので、自由意思を歪めて信仰への隷属に導く不正なものであるし、統一協会の信者が原告らに対して行った教化活動は、社会的相当性の範囲から著しく逸脱する民事上違法な行為であるといわなければならない。」

クローバーとてんとう虫

 「統一教会の伝道・教化活動は、社会的相当性の範囲から著しく逸脱する民事上違法な行為である」……実に明快である。これは、統一協会そのものが、宗教の衣をかぶった「反社会的団体」であることを日本の司法が正面から認定したことを意味する。
 ここまで言い切った判決はこれまでなかった。法律家は、「人間には自由意思」があることを当然の前提として思考する。しかし、人は常に理性的とは限らない。情に流されるし、権威に従う。弱さを沢山抱えて生きている。この人の持つ弱さを直視しなければ、司法は弱者を救えない。それが、青春を返せ裁判を貫く、弁護士・郷路征記の信念である。

 この判決は、長大すぎて判例時報や判例タイムズには掲載されない。しかし、若い弁護士たちが、民事裁判における事実認定と立証活動の本質を勉強するにはまたとない教材である。一度、弁護士・郷路征記の謦咳に接することをお勧めする。

泊原発の廃炉訴訟について 弁護士 渡辺 達生

 昨年の三月一一日の東日本大震災により、福島第一原発の一号機・二号機・三号機・四号機の四つの原子力発電所が、水素爆発を起こし、多量の放射性物質を大気中に放出し、福島県だけでなく広範な範囲を汚染したことが皆さんの記憶から拭い去れることはないでしょう。

 泊原発と札幌の直線距離は約六〇キロで、福島第一原発と福島市との距離とほぼ同じです。福島市にも、放射線濃度が高いホットスポットが生まれていますが、もし、泊原発で福島第一原発と同じような事故が起きた場合には、札幌にも重大な被害が発生する危険性は高いといわざるを得ません。

  原発の違法性を問う訴訟は七〇年代から全国各地で取り組まれて来ましたが、三・一一を受け、全国的に新たな裁判が多数起こされています。これらの裁 判の最大の特徴は、原告も弁護団も今までの訴訟と違って、原告の数も非常に多く、弁護団も幅広い弁護士により構成されていることです。

 泊原発についても、昨年の七月、泊原発の廃炉をめざす会が、北大名誉教授の小野有五先生らの呼びかけで結成され、めざす会が母体となって、原告団を組織し、昨年一一月一一日、六一二人の原告で、札幌地方裁判所に泊原発の廃炉訴訟を提訴いたしました。めざす会の会員も拡大し、現在で二〇〇〇名を超えています。

交差点

 原発を作るのは電力会社ですが、それは全て、国の法律や指針に基づいて作られており、それらの法律や指針が原発の安全性を基礎付けていました。そして、それらの法律や指針は、福島第一原発事故のような過酷事故が起こることは無いという想定で作成されていましたが、今回の事故により、それらの法律や指針の前提が崩れた以上、日本の全ての原発の安全性は崩れたと考えるべきなのです。

 また、地震学等の進歩により、それぞれの原発が建設された当時は、必ずしも明らかになっていたとはいえなかった活断層等が明らかになってきています。泊原発についても、活断層の存在が明らかになり、それを前提にすると、建設当時の安全基準では安全といえないことが明らかになっています。

 裁判は、これまで二回の期日を重ねていますが、北電は、福島第一原発の事故があっても、原発は今までと同様に安全だという姿勢に終始しています。

 電力会社を脱原発に舵を切らせるためには、より大きな力を市民が持つことが必要です。毎週金曜日、首相官邸前に数万人規模の市民が押しよせる等、反原発の運動が大きな高まりをみせていますが、市民が反原発を訴える強力な手段の一つが、この訴訟です。現在、二次提訴の原告を募集しています。興味のある方は、廃炉をめざす会のホームページを見ていただき、是非、原告にご参加ください。

以上

学校法人専修大学の暴挙
弁護士 長野 順一

専修大学北海道短期大学の一方的な学生募集停止と教員の解雇

教室

 専修大学北海道短期大学(「専修短大」)は、昭和四三年に学校法人専修大学(専修大学、石巻専修大学を経営。)により美唄市に開設された総合短期大学です。

 学校法人専修大学は、平成二二年四月二一日、学生数の減少を理由として、専修短大の募集停止を決定し、その上で、定年退職、任意退職等による退職をせずに残った八名の教員全員を解雇しました。

 学生募集停止を決定するにあたって、学校法人専修大学は、事前に地元美唄市や周辺自治体の意見を聞くこともせず、地元の理解を得る努力も何もしませんでした。

 また、募集停止は、専修短大の教授会を無視した形で決定され、事前に教授会に諮られることもありませんでした。

 平成二二年四月というのは、学校法人専修大学自身が平成二〇年に専修短大に実施を命じた、「三カ年計画」に基づいて、専修短大の教員が一丸となって学生を確保するための努力を行っている真っ最中の時期であり、実際に若干ながらも学生数の減少に歯止めがかりつつあった時期でもありました。

ストップ

 ところが、学校法人専修大学は、その努力の結果もみないまま一方的に募集停止を決定しました。しかも、専修短大の教職員らには、収支改善のための努 力を指示しながら、募集の三カ年計画の中で自ら掲げた「人件費の削減」のために自ら経営する他大学への配置転換制度を整備するなどの努力すら何も行わないまま、突然、かつ一方的に募集停止を決定しました。

 このように、何の準備もなしに突然募集停止を決定した学校法人専修大学は、教員の雇用の確保に対しても全くの無策であり、決定以後、専修大学教員の一般公募枠で五人を採用した以外は、若干の退職金の上積みによる任意退職の募集を行っただけで、他にはほとんど教員の雇用を確保、維持する努力もせずに、残った教員全員を解雇しました。

女性

 学校法人専修大学経営者の理屈は、もともと専修大学北海道短大の教員は「北海道短大専任」として採用したのだから、北海道短大がなくなれば、教員が解雇されるのは当然で、教員らの雇用を確保すべき責任はないというものです。

 しかし、教員は、いずれも学校法人専修大学に雇用されてきたもので、「専修短大に限定」して採用されてなどいません。しかも、毎年専修短大から多数の学生が専修大学の経済、経営などの学部に「編入」しており、その際に北海道短大での取得した単位が、そのまま、学部の単位として認定されてきましたから、北海道短大の教員は、「専修大学」の教育の一部を担ってきたといえます。そのような、北海道短大の性格からしても学校法人専修大学の対応は全く理不尽というほかありません。

東京などに本部を置く学校法人が地方に置した四年制大学や短大が、最終的に閉鎖して撤退するケースは少なくありませんが、多くは、撤退に際して教員を同一法人内の他大学へ配置転換するなど、その雇用の維持・確保するための努力をしています。学校法人専修大学の財務状況からすればそれは十分可能です。

 今専修短大の教員八名は、札幌地裁に、地位保全の仮処分と、解雇無効確認の訴訟を提起してたたかっています。

 皆様のご支援をよろしくお願いします。

トンネルじん肺訴訟について 弁護士 渡辺 達生

 先日、全国一一地裁に、トンネルじん肺根絶第四陣訴訟を提訴しました。じん肺訴訟は、一九七〇年代から全国各地で取り組まれていますが、単なる損害賠償にとどまらず、「謝れ、償え、無くせじん肺」のスローガンに象徴され、法廷外との運動と深く結びついて訴訟を続けてきました。

 トンネルじん肺根絶訴訟は、トンネル施工業者であるゼネコンの責任を明らかにした上で、国の責任を明らかにしなければ、じん肺を根絶することができないということで、国を被告にして裁判を提訴しました。この訴訟では、国の責任を明らかにし、じん肺患者が発生しないような厳しい粉じん対策をとらせると共に、トンネルじん肺基金をつくり、訴訟によらず、簡易な手続きでトンネルじん肺患者の被害の救済が図られるようにすることを大きな目的としていました。

 二〇〇六年から二〇〇七年にかけて、東京、熊本、仙台、徳島、松山と相次いでトンネルじん肺に対する国の責任を認める判決が出されました。これらの判決を受け、二〇〇七年の夏に、国との間で、じん肺対策に関する基本合意をしました。この合意に基づき一定のじん肺対策が進められていますが、もう一つの目的であるじん肺基金については、まだ、実現できていません。

 この間、原告団は足しげく議員会館を回り、多くの議員から、じん肺基金の創設を求める賛同署名をとっており、その数は、全国会議員の八割を超えています。

 近年、ゼネコンはトンネルでのじん肺対策は進んでおり、じん肺は過去のものとなっている旨の主張をし始めていますが、四陣訴訟では、被告ゼネコンのそのような主張を打ち破り、ゼネコンと国の責任でじん肺基金を創設させるように、追い込んでいけるような訴訟を進めていきたいと思います。

 今度ともトンネルじん肺根絶訴訟へのご支援をよろしくお願いします。

以上

B型肝炎訴訟新規参加への呼びかけ 弁護士 香川 志野

 当事務所の佐藤哲之弁護士が全国弁護団団長を務める全国B型肝炎訴訟は、集団予防接種によりB型肝炎ウィルスに感染させられたことについて、国に対し損害賠償を請求する裁判です。平成二三年六月二八日に、全国原告団、弁護団と国との間で、国が正式に謝罪し、被害者を和解によって救済する要件等を定めた基本合意が成立し、その成立から一周年を迎えました。現在も新しく提訴する方は増え続けており、提訴をした被害者の数は、平成二四年六月末時点で、全国で四七八六名(原告数五一八四名)になりました。原告の多くは重篤な病を抱える患者であるため、国が和解手続を迅速に進めることが強く望まれますが、国の対応が非常に遅れているのが現状です。

 現在、弁護団では、今後に向けて肝炎問題に対する恒久対策にも取り組んでいます。

 基本合意に基づいて救済される対象となる可能性がある被害者は、全国で四〇数万人と言われています。B型肝炎に持続感染し、生年月日が昭和一六年七月二日以降で、B型肝炎に感染していない母親又は年長の兄姉がいる方は、母子手帳がなくても原告になれる可能性がありますので、ぜひ弁護団までご連絡ください。

ビオラ

お問い合わせ先
全国B型肝炎訴訟 北海道弁護団事務局
TEL 011-231-1941
電話受付 平日 9時〜17時(12時〜13時を除く)

クレジット・サラ金、ヤミ金被害者交流集会イン北海道

テーマ「断ち切ろう貧困の連鎖〜許すな!金利引き上げ」

多重債務を再燃させる危険 貸金業法・利息制限法改悪の動きに反対しよう。

 現地実行委員会(実行委員長・弁護士藤本明)が中心になって準備中。七月一四日、北は釧路から「反貧困キャラバン」が東京へむけスタートしました。

 サラ金三悪(高金利、過剰与信、過酷な取立)を根本的に規制し、上限金利引下、総量規制を定め、二年前に完全実施をした貸金業法・利息制限法。自己破産や借金による自殺者の減少、貸金業者の撤退など、被害救済が大きく改善。しかし、上限金利を三〇%に引き上げ、貸し出し総量規制の撤廃を骨子とする貸金業法・利息制限法の改悪を目論み、与野党の議員立法で成立させようと動いています。多重債務問題が再燃する恐れがあります。

 東北被災地では、カジノ誘致の動き、ヤミ金ばっこ、依存症をもたらすパチンコ店の繁盛も。被災支援や復興が遅々としたなか、改悪されては金融被害の発生が拡大されます。

 サラ金・クレジット問題、保証改正、依存症や、背景にある様々な貧困問題を取り上げます。被害を可視化し、問題を法的・制度的・実践的に取り組みする二〇の分科会が設けられます。是非、「事前」申し込みをして参加してください。

 分科会などは実行委員会ホームページをみてください(更新中「クレサラ  交流集会 北海道」で検索してください)(事前申込要綱や方法、申し込用紙を掲載する予定)

http://cresara2012hokkaido.web.fc2.com/

■第一日目の参加受付と二〇分科会
 一〇月二七日(土)午後一時三〇分?五時三〇分
 (会場 教育文化会館、かでる27の各会場で受付します)

■全体会
 一〇月二八日(日)午前九時三〇分〜一時まで(札幌パークホテル)
  記念講演 水島宏明さん(法政大学社会学教授 ジャーナリスト)
  見えなくなる貧困?報道する内と外側からみた課題
  被災者の支援と貧困問題の報告
  貸金業法改正の動きに対する報告など

問い直す権力犯罪

白鳥・芦別事件から六〇年 いま布川事件

白鳥・芦別事件から60年 いま布川事件

 二〇一二年一〇月二八日(日)、砂川市地域交流センターゆう大ホールにおいて、「問い直す権力犯罪―白鳥・芦別事件から六〇年 いま布川事件」という講演とパネルトークが開催されます。今から六〇年前の一九五二年一月、札幌市で起きた白鳥警部銃殺事件、同年七月に芦別駅付近で起きた線路爆破事件。後者は証拠偽造、証拠隠匿が明らかになり無罪になりましたが、前者は有罪となり再審も認められませんでした。しかし白鳥事件でも発射練習をしたことを裏付ける弾丸が偽造された疑いもあると指摘されました。そして二〇一一年五月に再審無罪となった茨城県の布川事件。これも無罪証拠が隠匿され、録音テープもやらせの可能性を指摘されました。捜査の過程で証拠が偽造されたり隠匿されたりすることは人の人生を翻弄する権力犯罪にほかなりません。白鳥・芦別六〇周年を記念して権力犯罪の構造について議論をして学びます。ジャーナリストの大谷昭宏氏が講演をし、芦別事件国家賠償原告井尻光子さん、布川事件の桜井昌司さんとともにトークをします。当事務所からは足利事件弁護団だった笹森学弁護士が司会役として参加します。キネマ旬報文化映画一位の「ショージとタカオ」も上映されます。振るってご参加下さい!

新人弁護士奮闘記

事件に対して真剣に向き合う

弁護士 池田 賢太

池田賢太弁護士

 弁護士の池田賢太です。北の峰には二回目の登場になります。

 挨拶にも書きましたが、自衛隊を相手にした弁護団事件に携わっています。軍隊へとその性質を変えつつある自衛隊に、正直なところ、驚いています。その中で、いかに自衛隊員の人権を守るかが問われています。日本国憲法の下では、人は人であるというその一点をもって、基本的人権が保障されています。自衛隊員の人権を守るということが、そのまま、憲法理念を実現させることに繋がります。

 その他、大学に関する事件にも携わっています。長野先生とともに、専修大学北海道短大事件に取り組んでいます。私の半年間は、この事件とともに成長してきたように思います。大学は、日本のこれからを担う拠点です。その拠点が、いま崩れかかっています。

 受験生や修習生のときにはなかなか実感できなかった事件に対する責任感に押しつぶされそうになるときもありますが、真摯に依頼者の皆さまと向き合い、暖かく時に厳しく見守って下さる先生・事務局の皆さんのご指導を受けながら、一つひとつの事件を大切に進めて参ります。  これからも、どうぞよろしくお願いします。

風味堪能

弁護士 橋本 祐樹

橋本祐樹弁護士

いま、弁護士の仕事をしっかり味わっています。  依頼者の方からは、お話をじっくり聞くことを心がけています。色々お話をしていく中で、信頼関係ができてくると、「○○さんのためになんとかしたい!」と思うようになります。これからも、この姿勢は崩さずに頑張りたいと思います。

 弁護団にもたくさん参加しています。まだまだわからないことがたくさんありますが、少しずつ仕事も振っていただいています。会議が多く、記録も大量ですが、少しでも役に立ちたいなと思っています。

 ビギナーズ・ネット北海道支部代表として、司法修習生の給費制の復活を目指して活動しています。本業とはあまり関係ありませんが、このような活動を伸び伸びとできるのも、弁護士だから、北海道合同法律事務所だから、と思っています。

 このような仕事を中心にした生活を日々忙しく送っています(仕事に追いかけられています) 。最近では、「日中、事務所にいない」と言われています(ちゃんといます、念のため)。日中できないデスクワークは、当然、夜間や土日にこなすことになります。妙な時間帯に事務所にいると、「そんなに事務所が好きなの?」と言われたりもします。

 弁護士の仕事は、正直、想像していたものより遙かに大変です。しかし、弁護士として仕事ができることと充実した毎日に喜びを感じています。

 これからも弁護士の仕事を味わいながら、一歩ずつ努力を積み重ね、成長していきたいと思います。

教育制度の調査でイギリスへ 弁護士 佐藤 博文

 今年一〇月四日、五日に佐賀県で開催される日弁連人権擁護大会の第一分科会「どうなる どうする 日本の教育」に向けた調査研究として、六月二日から一〇日まで、イギリス( E n g l a n d とWales)に行ってきました(研究者二名、通訳一名、弁護士七名)。

 大阪の橋下市長の「教育改革」は、イギリスのサッチャー元首相が断行した「新自由主義教育改革」がモデルです。その内容と結果を検証するとともに、それに反対して独自の改革を進めたウエールズも調査しました。

 イギリスに着くと、エリザベス女王の即位六〇周年記念で盛り上がっていました。そのため、到着した日から翌々日の午前中まで丸二日間、調査スケジュールが入らないという幸運!に恵まれました。二日目は一日中、大英博物館で時間を過ごし、全部をゆっくり見て回りました。翌日午前中は大英図書館にいきました。準備不足の私は、この二日間で、気持ちを切り替え、事前資料に目を通すことができました。私たちが面談した主な政府機関や団体、研究者は以下のとおりでした。

教育制度の調査でイギリスへ

○イギリス教育省 査察機関 Ofsted国際部
○ディラン・ウィリアム教授( ロンドン大学教育研究所)
○イギリス教育省 DfE国際部
○ウェールズ政府顧問 デヴィット・レイノルズ教授
○ウェールズ査察機関Estyn
○教職員組合ATL
○ウェールズ教育省

  イギリス調査の報告は、人権大会の本番だけでなく、札幌で行われるプレシンポジウムでも行われる予定です。是非ご期待下さい。

笹森学の書評コーナー

桜木紫乃「LOVELESS ラブレス」(新潮社)

LOVELESS ラブレス

◆北海道・標茶、極貧の開拓小屋、一家5 人が雑魚寝する愛のない家。昭和26年。百合江は旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であると知りながら。良家に里子に出されていた対照的な性格の妹・里実ともども波瀾万丈の人生と、現代を生きるそれぞれの娘たち理恵、小夜子の人生を重ね合わせ、今燃え尽きる寸前の百合江の手が握り締める位牌の謎に迫る力強い物語を紡ぎ出してゆく。

◆三世代の女性史に、女性の身の上に起こるあらゆる不幸を描きながら、百合江の「来し方」にただ生きて死ぬ幸せを垣間見せる。多くの女性が読んで体験してもらいたい。彼女は、「史上最も不幸で、最高に幸せだった女」だったのか…?

◆作者は、元裁判所タイピストで長く釧路に住んでいた道内作家。本作で第146 回直木賞、大藪晴彦賞、吉川英治文学新人賞にそれぞれノミネートされた。

◆人生の情念をハードボイルドな文体で描く。近作「恋肌」「ワン・モア」「ターミナル起終点駅」など孤独な魂同士の交錯に鳥肌が立ち、思わず自分の生き方を振り返る。


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